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5%の収穫に向けて

いざ、梨園へ!

「ひ、低い!?」

まず梨園に入った瞬間に、張りめぐらされたネットの梁の低さに気づきます。

そうですね、ちょうど橋本さんの身長(185㎝)くらいの高さです。あっ、低いというのは、天井高としては低いという意味で…。

その高さに合わせて枝が横に伸びています。

「ひ、低い!?」

まず梨園に入った瞬間に、張りめぐらされたネットの梁の低さに気づきます。

そうですね、ちょうど橋本さんの身長(185㎝)くらいの高さです。あっ、低いというのは、天井高としては低いという意味で…。

その高さに合わせて枝が横に伸びています。


橋本さん、窮屈じゃないかなぁ…と思っていたら、

「この高さは、僕用なんです。作業しやすいように、作業する人の身長に合わせて設定するんですよ。だからおじいちゃんとかが作業する

梨園ではもっと低いですよ。」

な、なんと!?ということは僕であればあとウン10㎝低くなるのか…。

この梁にはしばらくしたらネットが張られるようで、そうなったら本当に平べったい空間の中での作業なんだなぁ、と単純にびっくり。

僕の考え、父の考え

 

前回のブログでも書きましたが、橋本さんのような若手とお父さんのようなベテランとでは、栽培の仕方でも考え方が違うところもあり、この梨の木の枝の剪定をとってみてもその違いがあるのです。

 

一般的には昔ながらの「四本主枝」栽培といって、主枝(梨の木の骨格にあたります)を4本伸ばし配置します。この栽培手法では、収穫が多く見込めます。お父さんはこの方法で栽培しています。

 

 

一方、息子の橋本さんは、「二本主枝」栽培といって、文字通り主枝が2本の栽培手法を採用しています。樹形がシンプルなので作業がしやすくなり、少ない労力で効率よく作業ができます。つまり、収穫量よりも省力化・効率化を目的としています。

 

「楽をしたいワケではないんですよ。農業従事者は「農家」というように、家で仕事をする家族経営が基本ですが、今後はそれだけじゃあダメだと思うんです。作業をシンプルにすることで誰でも作業ができるようになる。パートさんとかを使って作業効率を高め、生産性をあげようと。」

四本主枝

二本主枝

 


なかなかその考えはお父さんとは意見が合わないところでもあるとか。ですので、橋本梨園には四本主枝と二本主枝が存在します。どちらが正しい、ということではないので、まさに考え方、ですよね。

大きな梨をつくるために

摘蕾(てきらい)って、聞いたことありますか?文字通り「つぼみを摘む」ことなんですが、実は1箇所には多くのつぼみがついています。

 

えっ!?このつぼみを摘んじゃうの?もったいない…。と、思いますよね。僕も当然思いました。しかも結構ガシガシ摘んじゃいます(笑)

 

ただ、これ、必要なんです。1か所に何個も梨が出来てしまうと邪魔し合い小ぶりになってしまって、味や質が落ちるそうです。

半分以上が摘まれる蕾たち

 


間引くことで、残ったつぼみに養分を集中させ大きく成長させることができるのです。摘蕾の後には、花になった段階でさらに摘み取る摘花(てきか)、さらにさらに果実になりたての未成熟の時に摘み取る摘果(てきか)なる作業もあり…。なんと最終的に梨の実として収穫されるのは全つぼみのうちの5%程度とか…。つまり95%が「減らす作業」をしているんですね…。気の遠くなるようなお仕事です…。

 

ミツバチだけに頼るな!

取材させていただいた4月は、交配(受粉)といって、梨の花(雌しべ)に花粉をつける作業の時期でした。梨は同じ品種同士の花粉では受精・結実しないとのこと。よって、他品種の花粉をつけてあげる必要があるのです。当然、ミツバチや風も花粉を運んできてくれますが、自然まかせだとどうしてもムラがでたり、変形果が増えたりすると。

ではそうならないためにはどうするか。

そこはやはり「人の手」なんですね。機械でやる人もいるようですが、橋本さんは丁寧に、より確実に、愛情を込めて受粉します。結実させたい位置の花に梵天(ぼんてん)というフサフサが先についた棒で花粉をつけます。純花粉に、着色された石松子(せきしょうし)という花粉増量剤を混ぜて使うのが一般的のようです。こんな感じで雌しべに軽く押しつけるように受粉します。

梵天(ぼんてん)

受粉状況


ちなみに、ミツバチって、そんなにたくさん都合よく橋本梨園に来ないですよね?実は、ミツバチ、レンタルしているんです!

これは驚きました。ミツバチのレンタルなんて存在するんですね!当然レンタルなので返却するんですね。返却する際は、

レンタル時より蜂蜜でずっしり重くなっているとか(笑)

 

運ばれてくるレンタルミツバチ

活躍するミツバチたち


さらにちなみにですが、梨の蜜って人間にとっては美味しくないようですね。梨蜜も売れたらいいのになぁ、とは橋本さん。

てことは、ふなっしーの梨汁は…マズい?(笑)あ、アレは梨の汁か。いずれにしてもマズそうだけど(笑)

 

次の工程は前述した摘果(てきか)。5月から6月上旬にかけての作業になります。

夏はもうすぐ!また取材にいくぞー!