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まつりのあと

冬のお仕事

明けましておめでとうございます…。(って、遅すぎますよね…)

 

秋の収穫も終わり、季節は冬になりました。農家さんって、冬はどんな作業をしているんだろう、って思ったことありませんか?今回はそんなみなさんの疑問に応えたいと思います。伊藤梨園の伊藤さんから細かく聞いてきました!では、いってみましょう!

 

「収穫が終わってからは、まず梨を雹や虫、風から守ってくれていた多目的防災網を収納します。広げっぱなしにしていると、網が痛んだり、万が一雪が降ると積もった重みで棚がつぶれてしまうからです」

↑こんな感じで。梨を守ってくれてありがとう!の感謝の気持ちを込めて、収納するのですね。

 

「そのあとは堆肥を撒きます。これは、土に地力(保肥力)や微生物の棲み処を与えてやる意味があります。10月中旬位ですね。堆肥を撒いたあとに耕します」

ほほう。収穫したあとに堆肥を撒くんですね~。微生物用ですか。それは知りませんでした。でも堆肥を撒くということは…。

 

「そうなんです…。この作業の大変なところは、臭いなんです。うちは近くに住宅地やマンションがあったりするので、風向きなども非常に気にします。それを解消するために…」

 

あ、前々回に取材させていただいた際の、あれですね!

 

「そうですね。臭い消しに、堆肥にコーヒーの搾りかすを入れています。とはいっても、臭いは出てしまいますので、雨の日に撒いたりすることもあります。ズルズルでとてもやりにくいんですが…。それと、うちではトレンチャーという溝堀機械で溝を掘り、少ない量ですが、そこにも堆肥と少量の肥料を入れています。これは、地表付近に堆積しやすい性質の養分(リン酸)などを根っこの張る層に持っていく役割と、溝を掘ることで梨の根の断根をし、発根を促進、根張りをよくしてやるという効果があるのです」


堆肥を撒くだけでもいろいろな苦労と工夫があるのですねー。

 

「堆肥を撒き終わると、堆肥の保管してあった場所が空くので、そこに堆肥の材料のもみがらを運びこみます。その後は、11月のアタマくらいに石灰を撒きます。これは生育や雨などによって酸性にかたむく土壌のPHを調整するためですが、同時にカルシウムの補給も兼ねています。これも農家さんによってですが、牡蠣殻を砕いたかきがら石灰や苦土石灰などを撒くこともあります。


みみずともぐらが集う土

「11月中旬頃、落葉が進んできたら、次は元肥(もとごえ)を撒きます。元肥とは、来年の梨の木の大もとの栄養のことです。うちでは有機肥料を入れています。ここが農家の土のこだわりどころですね!有機肥料は、骨粉、魚粉などで作られていて、撒くと土中でこれを分解する微生物が増殖してくれるのです。そうすると土の団粒化が起きたり、じっくりと肥料が効いてくれたり、色々な菌が梨の根に作用し、養分の吸収を良くしてくれたりするんですね。良いことがたくさんあります」

 

「梨園の土を掘り返してみると、みみずがたくさんいるんですよ!それを食べるもぐらもあちこちで穴を掘っています。自分はこれが良い土の証拠だと思っています」

 

みみずが住みたくなるくらい肥えた土、ということですね!梨園あるあるですねー。

それから、普段は運搬車などの作業機械が通るので、通路の土は締め固められているのですが、それが通らない木の根元の土なんかは、実はフカフカしているんですって。知ってましたか?

 

「梨園あるあるといえば…、有機肥料は、撒いているそばからカラスやほかの鳥が食べに来るんですよ…。だから、撒いたらすぐトラクターで耕さなければならなくて、忙しいのと、さらに値段が高いのが欠点なんですよね」

 

ご苦労が目に浮かびます。その他、収穫後の作業はどんなことがあるのですか?

 

「そうですね。落葉って、来年の病気の発生につながってしまうことがあるんですね。なので、落ちた葉をトラクターで耕して処理したりします。あと、収穫が終わってから剪定までの間の手の空いているときに、調子の悪い木(収穫量があがらないものや病気のもの)や枯れてしまった木を抜きます。木を抜く作業は、ユンボでエンジン全開の棚の下での作業なので、何かの拍子でレバーでもひっかければ大惨事…神経を使うし、けっこう疲れるんですよ…」

おおおお~。抜いちゃいましたね。それにしても土の維持や悪い木の処理まで…結構ハードワークなことがわかります…。ここまでがだいたい11月くらいまでに行う作業とか。

 

このような作業を経て、季節は12月に。そして作業は剪定に入ります。

 


来年の「ひと夏の思い出」のために

「剪定は、来年の生育に影響する大切な作業です。また、園主によって切り方も様々で、ベースの技術の上に各々培ってきた技術で剪定をしています。もちろん、白井では剪定の講習会がたくさんあって、基本的なことや応用など、みんなでいろいろ勉強しています。

この作業の大変なところは、枝の切りすぎで手が腱鞘炎になることがあるというのと、寒さですね」


「腱鞘炎対策として電動剪定はさみを導入されている方もいますが、値段…高いです汗。これも梨園あるあるかもしれませんが、剪定前と後では利き手の握力がめちゃくちゃ強くなっています(笑) で、この過酷な作業を、春まで続けます」


写真を見てもわかるように…気が遠くなるような作業です。さきほどから聞いていますと…、冬の作業…かなり肉体労働ですね…。でもこれもすべて来年の僕らの「ひと夏の思い出」のための作業…。本当に頭が下がります。

 

 「あと、冬休みや春休みは、子供たちが遊びに来るのでブランコを作ってやったりしていますね。梨園の仕事の良いところですかね(^^) 」


子煩悩で優しい伊藤さんのお人柄がうかがえます!梨園で、梨の木で出来たブランコ。なんかロマンチックです!このまま終わるとハードワーカーなお仕事、で終わるところでした。ほっこり情報、ありがとうございます!

 

 

いやぁ、それにしても…冬の農家さんのお仕事って…ちょっと想像以上でした…。こんなにハードワークだったんですね。そしてこの冬の作業を終え、花の時期を待つわけですね。

 

「まつりのあと」は、来年の「ひと夏の思い出」づくりのためのハードなお仕事、でした。