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「ひと夏の思い出」のために

梨といえば?」

突然質問されたら、何となく「鳥取」って答えてしまいませんか?「二十世紀梨」の影響でしょうか。僕は今までそう思っていました。

実は、全国一の収穫量・出荷量を誇るのは、千葉県なのです!さらにその千葉県においてNO.1の生産量を誇るのは白井市なんです!知ってましたか?ちなみに「しろいし」って読みます。「しらいし」ではないんですねー。ニホンゴムズカシイ。

さらにさらに余談ですが、「ニ十世紀梨」って千葉県の松戸市が発祥って知ってました?ごみ溜めから発見されたとか。このあたりには「二十世紀が丘」や「梨元町」という地名もあるようです。詳しくはググってみてください!

 

えー、本題に戻ります…。

今回はそんな梨の王国千葉県白井市で明治時代から農家を営み、1950年代から梨づくりをはじめ、現在では梨専業農家として白井市の梨生産を牽引する、橋本梨園にお邪魔しました。お話しをお聞かせいただいたのは、橋本農園副代表の橋本哲弥さんです。


「しろいの梨」をPRするために

橋本さんは農業系の大学を卒業されてからサラリーマンとなり、出版関係のライターの仕事もしていたようです。実家の農業を手伝いながらライターの仕事もしていて、「農業園芸ライター」として活躍していたのですが、どうもやってみると農業も面白い、と。逆に、課題やこうすればいいのに、みたいなことも見えてきて。そんななか白井市には同世代やもっと若い仲間たちが偶然にもたくさんいて、「しろいの梨」を生産者発信でPRしていこうじゃないかということになり、平成27年に若手梨農家で「しろい梨PR委員会」を結成したようです。ほんの少し前の出来事ですよね。

「農家って、“儲からない”“3K”っていうイメージがあるけれど、経済的に自立しているなぁ、と思ったんです。もっと面白くなる伸びしろもあるんじゃないか」

と、橋本さん。そんなこんなでライターから農業の方へとどんどんのめり込んでいったようです。

 

白井の梨、千葉の梨

千葉県の梨事情として、産地ごとにそれぞれ単独で戦略をたてて販売し、さらにそれぞれで売れている、という。もっとうまく連携できれば「千葉の梨」としてより強固な販売ができるのになぁ、と常々思っているようです。

そんな梨の強豪(競合)がひしめく千葉県において、白井市は若手生産者が多いようで、橋本さんは「若さ」を使った様々な取り組みを模索しています。「白井の梨と言えばこれ!」みたいなブランディングを考えてみたり、自分たちで白井の梨を売っていこうとSNSを介してプロモーションしてみたり。「白井の梨ってどこで買ったらよいかわからい」という声が聞こえてくれば、梨業組合独自のWEBサイトを作ろうと発案してみたり。若者ならではのネットを介して商品の導線を作る、という手法を積極的に提案しています。

で、そんな白井の若者たちの行動にやっと行政が着目し、白井市が発行している「広報しろい」の平成28年の新年号で特集されました!

http://www.city.shiroi.chiba.jp/ikkrwebBrowse/material/files/group/2/280101gou.pdf


 

サラブレッドの馬糞、使ってます!

さてさて、話題は橋本農園における農業に対する「こだわりや工夫」について。

近くにJRAの競馬学校があって、そこから馬糞をいただき、それを用いた堆肥での土づくりや有機質肥料を中心とした施肥を行っているようです。馬糞は牛糞とかと比べても良質の堆肥になるようですね。あ、ちなみに良いモノ食べているサラブレッドの良質な馬糞とか(笑)

「周辺地域の資源を活かし、地域の中で資源を循環させる」

おじいさんの代から行われていたやり方ではあるようですが、そういった試みが本当に大切だと。船橋にも競馬場があるので積極的に活用すればいいのに。(やってたらすみません…)

また「
多目的防災網の拡大や、グランドカバーや緑肥になる草本植物を導入し、薬剤散布を極力減らして、周辺環境に配慮した梨栽培に取り組んでいきます。
(それに減らせるものは減らしたほうがコスト面でも負担減りますしね)グランドカバー」といって、雑草が生えてこないように、土の上にあらかじめ別の草を植えて覆っておく手法を取り入れ、除草剤をまく労力やコストの縮減を行っています。これは近隣のマンションや飲食店が立ち並ぶ周辺環境への配慮も考えたうえでの行動になります。

こうした取り組み(もっといっぱいありますが…)が認められ千葉県知事より、平成28年3月にエコファーマーの認定を受けました!

 

何だかこの1~2年で劇的にいろんなことが動いているような気がしますね~!


東京進出します!!

「オレたちの梨が東京でどれだけ通用するか試してみようぜ!」

橋本さんの声のトーンが上がりました。東京進出、計画中とのこと。

「船橋と一緒に出展できたら面白いですよね。「なし坊」VS「ふなっしー」みたいな(笑)」

 

出た!「ふなっしー」

NGワードかなぁ、と思ってあえて封印していたのですが、橋本さんの口から5文字がでました(笑)「よく、ふなっしーの箱で送ってください、とか言われるんですよぉ」と苦笑の橋本さん。「ふなっしー」のブランド力にはかなわないですよね…。でもあまり「ふなっしーが」いるからといって「船橋=梨」とはあまり結びついてはいませんね。

 

それよりも…、「なし坊」とは…??

「なし坊」とは、白井市のゆるキャラなんですね!なんとLINEのスタンプもあるようで。打倒「ふなっしー」ですね~!

「なし坊」のピンバッジ


僕らの仕事の成果は収穫の時だけなんです!

夏の2か月ほどの収穫のためだけに、一年をかけて梨の木と向かい合っている橋本さん。

大産地には大産地ゆえの悩みもあるようです。いろんなことに取り組もうと思っても、産地全体となるとなかなか足並みをそろえづらい。若手とベテランでは考え方や栽培の仕方までも違う。橋本さんにいたっても代表であるお父さんともいろいろな考え方、やり方の違いがあるようです。でもそれらは否定的な捉え方はしていなく、いろいろな考え方や様々な現場のやり方を吸収して、それを深化し進化させていくことが、これからの若手生産者の役割だと考えているようです。

 

「ひと夏の思い出」のために

これは橋本さんがサラっと口にした、非常に印象に残った言葉です。

「僕たち生産者にとって梨は一年中の仕事なんですが、お客様にとっては「ひと夏の思い出」なんですよね。

“一年に一度の経験を最高の体験にする”

これが僕たちのポリシーであり、最大のやりがいなんです」

 

熱く語る橋本さんのその目は「豊水」のようにみずみずしく、「幸水」のようにシャキシャキと輝き、その志は「新高」のように大きく、「しろいの梨」の未来を見据えていました。

 

次回は実際に農園に行ってきまーす!!